読者の声


「雀のお宿」の感想です。


「雀のお宿」楽しく拝読しました。
ますます練達されたとしばし感慨にふけり、絶え間ないご精進に感服しています。
どの作品も興味深く拝読しましたが、殊に「若水」には、民営化改革に浮き沈みする昨今の時代アナロジーをだぶらせ、
胸に残りました。
そして、清雅な生き方への示唆を受け、風景の描写にも清々しい読後感を覚えました。
ありがとうございました。

     尾道市 H


「雀のお宿」読みました。
読みはじめるとついつい止められなくなって、夕食が遅くなってしまいました。

     福山市 M


「雀のお宿」読みました。
人物がよりイキイキしてきて、楽しめました。
熟成した「絵美子ワールド」「絵美子節」の爆発が始まったのですね。
映像化された「今井絵美子時代劇シリーズ」が実現する日も近い予感がします。
次の作品を楽しみにしています。

       広島市 T


今井さんの本は全部買います。
感想を少々……。

「鷺の墓」白寂院の存在感、これがすごい。
最後の場面、墓に鷺草を手向ける女の姿と心が目に浮かびせまってきます。
「無花果朝露に濡れて」彦四郎がかっこよすぎるけどいい男です。
が、夫の爽太郎、こういう男の女房になって苦労するのが女にとって最高の人生ですよねぇ。

「逃げ水」市之進が実久を受け入れる結末が少々安易に感じました。

「空豆」芙岐が死んだ女房の娘で母親と同じ轍を踏むというのは少々作りすぎの気がします。
多分こんな話は現実にはあるんでしょうが、小説世界ではかえってリアリティにかけるように思えました。

「秋の食客」空豆の続きみたいですが、雰囲気が全然違います。
これぞエンターテーメント、書いている人も楽しいだろうなあとつい思っちゃいました。
「やさしい男」お滝がいい。

どんな時代でも経済的に自立して自由に生きている女は魅力的です。
考えたら本当の意味で自立して自由に生きられるのは女かもしれませんね。

「うずみ」うふふ、まるで団地の女どものスキャンダル話、時代物にしてはとらえどころがとてもおもしろい。

      綾瀬市 U


「雀のお宿」拝読しました。
実に完成度の高い作品集で、二冊目にして、すでにシリーズとしての世界観も奥行きも感じさせ、
これからどう展開していくのかが楽しみというより、どう展開しても、安心して頁を捲ることが出来る、
そういう気持で読了しました。

なかでも「うずみ」には(解説で結城氏も触れられていましたが)ミステリ仕立の趣向と、
岡山のばら寿司というのはよく聞いていて、どんなものなのかと思っていたのですが、
このうずみもそれに負けないほど美味しそうな料理だと、読みながらお腹の鳴る思いでした。

それから「若水」彦四郎がああいう形で活躍してくれるとは、少し辛い気持になりはしましたが、
でも、いずれまた彼に会えるのではと言う気持で、個人的には期待しています。

        東京都 M


「雀のお宿」の白雀尼の人生に涙がこぼれて止まりませんでした。
姉が想いを寄せていることを知りながらその人と結婚してしまった妹が、病に倒れ、
面倒を見ている桐葉の気持は純粋で下心なく妹を愛する心からだと思います。
日頃、感謝している妹が死の間際に「姉には夫や息子を渡したくない」と言う言葉を聞いて
本心を知ってしまった桐葉はどんな気持だったことか。
白雀尼にいつかきっと良いことが、幸せが訪れるますようにと思ってしまいました。

「鷺の墓」は藩主が後継のために人の女房を離縁させて自分の側室としてしまうこの
時代、その夫や子供がどんなに悲しい思いであったか。
その妻は尚更のことだったと思うと胸がつまってしまいました。
また、保坂彦四郎という人にひかれます。
猫が死んで寂しそうな様子が、私にも思い当たることがあり、親近感を覚えました。
「若水」での彦四郎にも涙が出て思わず「頑張って下さい」と言ってしまいました。
木訥としているようで、心優しく、気配りもあり、とても深い愛情を感じます。
その後の彦四郎はどんな人生を歩むのかしらと気になりました。

「蘇鉄のひと・玉蘊」は玉蘊と頼山陽の心の擦れ違いにハラハラドキドキし、
山陽にひかれながら母や家のために生きる玉蘊の芯の強さに感心してしまいました。
若い頼山陽のようなちょっとあぶなっかしい男性って、女性にとって気になる存在で魅力的ですよね。
それぞれの物語の続きをもっともっと読みたいと思ってしまいました。

時代小説はちょっと不得手で今まであまり読みませんでしたが、今井絵美子さんの本
に出会い、とても楽しくとても感動しました。もっと読みたいと思っていますので次
の出版を心からお待ちしています。

         横浜市 K


「雀のお宿」「雁渡り」とても面白くて面白くて、一気に読んでしまいました。
まさに、お江戸ストーリーテラーの誕生ですね。
お江戸の町が眼前に、心の中に、躍動しています。
お江戸言葉に、路地の香り、衣装、持ち物等々照降町を散策しているようです。

昨日、妹がきて、「雀のお宿」とっても言葉が面白いとほめていました。
また、めったに時代物を読まない末娘が、とても面白くてどんどん読めると楽しんでいました。
知人にもプレゼントしようと思っています。

         三原市 Y


今井さんの本はずっと読ませていただいてます。
「鷺の墓」、「雀のお宿」そして近作の「雁渡り」と、もう離れられないファンの一人になりました。
「雀のお宿」の感想として、女性からの視点が細やかに表現されているなぁ、と思いました。
主人公や、またその奥さんなどの微妙な心の動きが、手に取るように感じられます。

また、一見頼りなげな男に、ここぞ、という時にやらねばならない行動をとらせる。
作者が男性に求めていることも察せられて、深く反省したりもします。

今井さんの物語全体に言える、読後感のスカッとしたさわやかさが好きです。

「雁渡り」も今、読んでいるところです。
また、感想を書きます。

         千葉県 O


前作の「鷺の墓」でも感じましたが、情景描写には感心した。
文章全体がきれいに感じられた。
今回の作品は一編ずつのラストが素晴らしい。
「やさしい男」「孤走」はその後の展開をいろいろと想像させ、読む人に夢を与えて
くれる。
「若水」のラストは絵の好きな私には思わず描いてみたくなる情景で、頭の中にその
風景がパッと浮かび上がりました。
本当に超新星である。
作者にお願い……旅に出た彦四郎が帰ってきますように!!


今晩は

良き先輩の南さんを思えば、シルエットの様に、すりガラスに先輩と今井さんの面影が浮かびます、
福山でのあなた様の祝賀会、短い時間でしたが強烈な思い、今も昨夜の様に思い出します。
雀の宿、読書家でも、江戸文学フアンでもない自分ですが、まさに、凄い、
純粋な武家の娘の愛の表現、気品の有る作品で、小説の世界がわからない自分ですが、
すばらしい作品であると、心から思います。
又、何もできない仕事で多忙な、人間でありますが、批評できる立場でありませんが、
作品を読み、重複しますが今井文学には、静かな中に、気品の有る激しさがあり、最高です。

今後もすばらしい作品を期待してます、尾道、江戸時代、芝居小屋、人形浄瑠璃芝居小屋に入りびたりの、
船問屋若旦那と芝居小屋の、お茶組娘の恋物語、尾道かんざし灯篭神社のお話を
書いていただいたら最高ですね、尾道2部さくめ、すこし余計な事申しましたが、
雀の宿最高です、又お酒を飲み語り合いたいですね、
お元気で山口にお出でいただけるようにしたいです。素晴らしい女流作家、
今井絵美子様にメイルできる事に感謝してます。おやすみなさい、
今から帰宅します。事務所にて。

         周南市 S       


「雀のお宿」を読みました。今井さんは単行本デビューまで二十年かかったとか。
今井さんの誰にも真似のできない、いぶし銀のような文章は、この長い時間が作り上げたものだと思います。
「雀のお宿」何とも魅力的な高尚な作品です。
「やさいし男」は人間の心の機微を捉えていて、その洞察力に感嘆しました。

「うずみ」は男女の愛
の底のない深さを感じさせる作品です。
「孤走」に出てくる主人公は、現在でも何処かにいますよね。
三郎太と又左衛門、それに「やさしい男」の喜四郎の、その後はどうなったものか思いを巡らしております。

「若水」は時代小説の中に現代社会の状況を反映させているような作品です。
中でも、私の好きな作品は「雀のお宿」です。好きに理由などありません。
次は「雁渡り」を読もうと思っております。
ところで、インターネットで今井さんのホームページを見つけました。
これから時々ホームページも見ます。

            千葉市K  (2006年9月)