1月


 Subject: 年賀、新刊案内

明けましてお目出度うございます。
今年は卯年、酉年生まれのわたくしには向かい干支といって、自分を護ってくれる年回りに当たります。
これは人形作家の辻村ジュサブローさんが言っていた言葉なのですが、きっと力強い味方になってくれる年だと思っています。
そんなわけで、今までも全速力で走り続けてきましたが、今年は更に実りある年にしたいと願っています。
どうか引き続きご声援下さいますようお願い致します。
さて、新刊案内なのですが、1月中旬、廣斎堂文庫より「照降町人身番書役日誌」の第五弾「雲雀野」(ひばりの)が刊行されます。
喜三次ファンの方、大変お待たせしました。前作より2年半近く経ってしまい、もう忘れられたのではないかと案じていますが、
(事実、書き手のわたくしも照降町に頭を戻すのが大変でしたが)書き始めますと、どんどん喜三次やおゆき、
そして髪結床猫字屋の世界に入っていけ、前作にも増して、感動的な心温まる作品に上がりました。
どうかご期待下さいませ!!
現在は祥伝社文庫の「便り屋お葉日月抄」の第二弾執筆中ですが、これは最終章を書けば終わり、
引き続きハルキ文庫の「立場茶屋おりき」の第七弾に入ります。
そんなこんなでことしも忙しくなります。どうか、皆さまにも今年がよい年でありますようにと願っています。
 

4月


Subject: 震災見舞いと新刊案内

大変なことが起きてしまいましたね。
近々、関東大震災並みの地震が起きるかもしれないと聞いていましたが、
まさかそれを上回る地震や、津波、そして原発の破損事故……。

津波に?まれていく家屋や船、車などをテレビの画面で目にして、
一瞬、映画の画面でも観ているのだろうかと目を疑いましたが、とんでもない!!

次第に被害の実態が明らかにされ、これはもう単なる地震災害ではないのだと知り、愕然としてしまいました。
けれども、いつまでも嘆いてばかりもいられません。

我々は被災された方々を支え、一刻も早く前へと向いて進まなければならないのです。
我々日本人はこれまでも度々襲った地震災害、戦争被害から立ち上がってきました。
明日への希望を失わなければ、必ずや、復興への道が開けてくると信じています。

こんなときだからこそ、支え合い、励まし合って、日本人の良さを発揮しようではありませんか。
今、わたしに出来ること……。
わたしの場合は、やはり、心の温まる癒しの小説を書くこと、それしかないと思っています。
世間が自粛ムードの現在、小説を発表するのはとも思いましたが、
寧ろ、今だからこそ、わたくしの描く世界で少しでも心を癒して下さればと思っています。

4月15日頃祥伝社文庫より「便り屋お葉日月抄」の第二弾「泣きぼくろ」が刊行されます。
時代背景こそ江戸ですが、支え合い、助け合う市井の人々は、現在の状況に通じています。

これまでは無意識のうちに江戸庶民の生き方を書いてきましたが、この度の震災を見て、
ああ、わたしはこのために、これまで人情ものを書いてきたのだ、と改めて思ってしまいました。
日本人の真骨頂は、支え合う姿です。平和惚けしているときには見えなくても、窮地に陥ると、真の姿が見えてきます。

そんなつもりで、これからも書き続けていきたいと思っていますので、どうか一人でも多くの方に読んでいただきたいと思っています。
わたしたちは一人ではない!!    
 
被災者の方々、希望を失わないで下さい。

今井 絵美子


5月


Subject: 立場茶屋おりき新刊案内
 
東日本大震災が起きて二ヶ月が経とうとしていますが、復興はまだまだ先のこと……。
3月11日の悪夢が昨日のことのように思い出されます。
被災地から遠く離れた我々でさえ未だに先行きの不安に重く心が閉ざされているというのに、
被災された方たちの気持を思うと、言葉もありません。
けれども、こんなことで挫けてはならない、先への希望を胸に、今日を、明日を生きていかなくてはなりません。
そんな気持から、応援歌のつもりで、いつもにも増してせっせと小説を書き続けました。
江戸の人々は逞しい!! 貧しさにもめげず、助け合いながら生命を大切に生きていました。
無論、自分のことしか考えない人も犯罪もあったけど、
市井に生きる人々は支え合わなければ生きていけなかったのです。
そんなつもりでこの度も「立場茶屋おりき」の第七弾「若菜摘み」を書き上げました。
今回もおりきさんが温かい心で他人のために活躍します。
5月中旬ハルキ文庫より刊行されますので、ご期待下さいませ。
尚、現在は「立場茶屋おりき」の第八弾を執筆中で、
これは7月か8月の刊行となりますので、引き続きご声援下さいますようお願い致します。
5月は爽やかに風薫る季節。震災の暗い影さえなければ、
日本人の全てが気持の良い初夏を迎えられたのにと残念でなりません。

けれども、必ずや、みんなが心から笑えるときが来ます。
今ほど、生命の尊さ、有り難さを感じることはありません。
皆で手をにぎり、前へと歩いて行きましょう!!

8月


Subject: 暑中見舞いと新刊案内
 
暑い日が続いていますが皆さまお元気でしょうか。
この暑さに、わたしは物が食べられなくなり困っています。
食欲はあるし、空腹感もあるのに、実際に食べようとすると三口ほどで食べられなくなってしまいます。

元々瘠せているのに、更に瘠せてしまいました。
でも、元気なのですよ。
今まで通り、せっせと小説を書いていますし、バレエもパワーヨガも休むことなく続けています。

さて、新刊案内なのですが、8月10日「立場茶屋おりき」の第八弾「母子草」がハルキ文庫より刊行されます。
今回は「立場茶屋おりき」プレゼント企画があるようですので、楽しみにしていて下さいませ。
2006年より始まったおりきさんシリーズも八作目となり、
おりきを中心とした品川宿門前町の人々がさまざまな人間模様を織りなし、それぞれに成長していく姿が描かれています。
そして9月中旬には「すこくろ幽斎診療記」の第三弾「麦笛」が双葉文庫より刊行されます。
現在は「立場茶屋おりき」の第九弾執筆中ですが、これは10月か11月刊行予定となるでしょう。
と、こんなふうに頑張っているのですが、大して食べないのに、よく頑張れるものだと感心してしまいます。
どうか、皆さまも暑さにめげず、ご自愛下さいませ!!
 
今井 絵美子

9月


Subject: 台風見舞いと新刊案内
 
のろのろ台風の一過、各地に随分と被害が出たようで案じています。
自然のすることとはいえ、三月の東日本大震災に続き、大型台風……〜〜“
一体、どうなっているのでしょうね。
幸い、福山地方は大した被害がなくて済みましたが、被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。
こんなときに新刊案内もどうかと思いましたが、今月15日頃、
双葉文庫より「すこくろ幽斎診療記」の第三弾「麦笛」が刊行されます。
いよいよ養護施設草の実荘も活動を始め、今回は子供たちの動向を中心に感動的な話が繰り広げられます。
ますます面白くなりますので、是非、是非、お読み下さいませ!!
ご心配をおかけしましたが、少し涼しくなり、わたくしもようやく食欲が元に戻りつつあります。
(前回のメールに食欲はあるのに食べられないと書きましたら、皆さまから激励のメールを頂いたり、
いろいろと送って下さり、涙が出るほど嬉しく思いました)有難うございます。

今年は12月に「立場茶屋おりき」の第九弾「願の糸」が刊行されますし、
明日より「便り屋お葉日月抄」の第三弾執筆に入る予定です。
暑さにめげずこの夏が乗り切れたので、これからも気を弛めることなく、
よい作品を書き続けていくつもりです。どうぞご声援下さいませ。
読書の秋、皆さま、沢山の本をお読み下さいませ。お元気で!!
 

12月


Subject: 新刊案内とこの一年の御礼

早いもので2011年がはや終わろうとしています。
今年は東日本大震災、原発事故による被害、各地で起きた天災、経済不安と大変な年でした。

また、改めて生命のありがたさ、支え合い励まし合う人の心に触れた年でもありました。
その中で、わたしに出来ること……。

やはり、小説を書くことで、少しでも多くの方に勇気を与え、
生きることの大切さ、支え合う日本人の心を伝えるしかないと思い書き続け、
今年は12月15日刊行の2冊を含めて7冊を刊行することが出来ました。

感動した、早く次を読みたい、と励まして下さった皆さまのおかげだと感謝しています。
本当に本当に有難うございます。
来年は更にペースを上げて、心に残る作品を書くつもりでいますので引き続きご声援下さいませ!!

15日、「立場茶屋おりき」の第九弾「願の糸」がハルキ文庫より、
同時に「便り屋お葉日月抄」の第三弾「なごり月」が祥伝社文庫より刊行されます。

おりきもお葉も、わたくしの大好きな女性です。
置かれた立場も性格も違いますが、根っこに流れる部分は同じです。
そう、他人を思い遣る心を持っているのです。

人は一人で生きているのではない、支え合って生きているのだ……。人は情けの器物……。
今回も素晴らしい作品になりました(手前味噌ですが)。どうかご期待下さいませ。

最後になりましたが、今年もあと僅かですが、良い年をお迎え下さいませ!!


今井 絵美子