2月


Subject: 浅き春
 
立春を過ぎたというのに、今日はこの冬一番の寒さです。
皆さま、風邪など引かれていませんでしょうか。

「群青のとき」が刊行されて1月半が経ちますが、皆さま、もう読んで下さいましたでしょうか?
お陰さまで、読まれた方からは読み応えがあった、感動した、阿部正弘という人物がよく解った、
と有難いお言葉をいただき、ますますこれからもよい作品を書かなければと大層励みになりました。

まだ、読んでいないという方は、是非お読み下さいませ。
決して期待を裏切らないと確信しています。

さて、新刊案内なのですが、明日2月10日「すこくろ幽斎診療記」の第七弾[親鳥子鳥」が双葉文庫より刊行されます。
タイトルから連想するように、いよいよ徳次がお辰の許を巣立っていき、
全体を通し、大切な人との別れ、巣立ちを描き、今回も感動的な物語になりましたので、是非お読み下さいませ。

そして3月6日、お待たせしました!!   
2年ほど前に徳間書店から単行本[夢の夢こそ」が刊行されましたが、
それがいよいよ徳間文庫より文庫として刊行されます。

単行本のときに読んでいないという方も多いと思いますので、この機会に是非お読み下さいませ。
これは文化文政時代の尾道が舞台で、近松門左衛門の「曽根崎心中」を彷彿させる、中年男女の悲恋物語です。

そして、3月15日頃[立場茶屋おりき」の第二十弾「由縁(ゆかり)の月」がハルキ文庫から刊行となります。
なんと、おりきシリーズも二十弾になったとは……。
今回も皆さまの期待を裏切らない感動的な物語ですので、ご期待下さいませ!!

まだまだ寒い日が続きますが、春は遅まきながらも確実にやってきます。
どうかお元気で!!


6月

Subject: ご報告
 
一昨日、退院してきました。
いきなりで、えっと思われるでしょうが、実は乳癌で全摘手術を受けてきたのです。

幸い、手術は成功しましたが、何しろステージ4でそれもリンパ、骨と転移していて、
膵臓にも疑わしい腫瘍があるとかで根治は無理と言われているので決して予断は許されないのですが、
抗がん剤治療を拒絶して、気力でこのまま書き続けていくことを選びました。

医者からは余命は長くて3年と言われていますが、短くても充実した秋を過ごしたいと思っています。
そんなわけで決して挫けていませんし、これからもどんどん書き続けていく所存にございます。
引き続きご声援下さいますようお願い致します。

そして、嬉しいお知らせもあります。
歴史時代作家クラブ賞のシリーズ賞を「立場茶屋おりき」シリーズがいただくことになり、
15日、表彰式に行って参ります。
奇しくも、15日は「立場茶屋おりき」の第21弾「佐保姫」が刊行される日です。

おりきシリーズがここまで続いてきて、そして賞を頂けるとは感無量です。
身体が続く限り、まだまだ書き続けていきます。

そして、8月には角川春樹事務所より単行本「綺良のさくら」が刊行予定で、これは盛岡を舞台にした感動的な物語です。盛岡版「風と共に去りぬ」の世界ですのでどうかご期待下さいませ。
そんなわけで、病を得たからといって立ち止まってはいられません。
残り少ない人生と思うとますます思い残すことなく書きたいものを書いておこうと思っています。

今後とも、どうか宜しくお願い致します。


8月

Subject: 暑中見舞いと新刊案内
 
暑い日続き、よれよれ状態です。
先日、些かショッキングなお知らせをしてしまい、皆さまを心配させてしまい申し訳ありませんでした。
術後、2か月が経ちましたが、現在のところ元気にやっていますのでご安心下さいませ。

やはり、書かなければならないという使命感が元気づけているのでしょうね。退院後、既に一冊書き上げ、
現在は10月刊のおりきシリーズ22段目の執筆に入っています。

さて、お知らせですが、8月11日、以前にもお知らせした盛岡を舞台にした「綺良のさくら」が
角川春樹事務所より単行本で刊行されます。

これはわたくしが心血を注いだ作品で、なんとしてでもこれを書き上げるまではと痛みを堪えながら書いたものです。
それだけに主人公の綺良にわたくしの想いを注入できたように思います。

本当に本当に、素晴らしい作品ですので是非お読み下さいますようお願い致します。
そして9月4日(金)には、「夢草紙人情おかんが茶屋」の第六弾「雪まろげ」が徳間文庫より刊行されます。

これが退院してから書いた作品です。そんなこんなで病を得てもちっとも休んでいられないわたくしですが、
これが逆に、生命を?ぐ秘訣と信じています。

どうか、これからも出来るだけ永く書き続けていけるようにと皆さまも願って下さると有難く思います。
負けません。引き続き、ご声援宜しくお願い致します。

暑い日が続きますが、どうか、皆さまもお元気で!!



9月


Subject: ランティエ
 
ランティエの10月号が今井絵美子特集になっていて、「綺良のさくら」について
わたくしのエッセイと評論家菊池仁さんの解説が掲載されています。

ランティエは書店に行けば無料でもらえると思いますので、是非お読み下さい。
 
今井 絵美子

10月


Subject: 一流の客
 
秋、真っ只中ですね。
読書の秋です。そんな折、10月15日「立場茶屋おりき」シリーズ第22弾「一流の客」がハルキ文庫より刊行されます。
今回は幾富士と伊織が結ばれ、おりきと巳之吉の間では愛の確認が……。

えっ、いよいよ、二人は結ばれるの?  まあまあ、そう急がないで……。
人にはいろんな愛し方、生き方があるのですから……。
あとは、読んでからのお愉しみということで……。

そして、来月は25日に「髪ゆい猫字屋繁盛記」の 第6弾「霜しずく」が角川文庫より刊行予定で、
12月には祥伝社から「便り屋お葉日月抄」の第9弾「忘憂草」が刊行されます。

皆さまに心配をお掛けしてしまいましたが、術後4ヶ月、完璧とはいえないまでもなんとか頑張っています。
これも、小説を書くという強い意思があるから出来ることで、この仕事をさせてもらえる我が身を幸せと感じています。

生命ある限り書き続けますので、どうか皆さま見守っていて下さいませ。
 
 
今井 絵美子

11月


 
早いもので今年もあと僅か……。
わたしは今年いろいろありました。なんといっても最大の出来事は乳癌の手術をしたことでしょう。
経過は順調と言いたいところですが、食べられないので体重がどんどん減っていっているのが心配ですが、
気力だけは衰えていませんので安心して下さい。

何しろ、これから案内する今月と来月刊行される作品で、今年は十四冊の刊行となるのですから驚きです。
癌の手術をしたというのが嘘のようですよね?

と言うわけで、明日25日発売の「髪ゆい猫字屋繁盛記」の第六弾「霜しずく」角川文庫と、来月十一日刊行予定の「便り屋お葉日月抄」の第九弾「花卯木」祥伝社文庫をご案内します。
「髪ゆい猫字屋繁盛記」のほうは前身の「照降町書役日誌」から数えると、十一段目となります。
さて、来年はどうなることやら……。

身体の続く限り書き続ける覚悟でいますので、どうかご声援下さいますようお願い致します。
 
今井 絵美子

申し訳ありません。昨日送りましたメールに誤りがありました。
十二月十一日刊行の「便り屋お葉日月抄」の第九弾はタイトルが「忘憂草」でした。
実は最初に編集者とどちらにしようかと相談したときに忘憂草のほうが綺麗だからそちらにしよう
ということになったのです。
これは、(わすれぐさ)と呼びます。
ごめんなさい。いかにも私らしいドジでした。
 
今井 絵美子