3月


Subject: 春です!! 新作情報
 
春爛漫!! 今年の冬は寒さが身に沁みただけに、やっと訪れた春に心が沸き立つようです。
1月、2月と新作の刊行がなかったので皆さん心配していらっしたのではないでしょうか?

大丈夫、元気でいますので安心して下さいませ。実は3月に三冊も重なってしまったのです。
まず、12日頃に祥伝社文庫から「便り屋お葉日月抄」の第10弾「友よ」が刊行され、
続いて15日頃にハルキ文庫より一昨年単行本で刊行された「綺良のさくら」が文庫化されて刊行されます。

既にお読みになった方もおられると思いますが、文庫のほうには文芸評論家の川本三郎さんが
素晴らしい解説をつけて下さいました。

単行本のときとまた違った新鮮さがあり、お出掛けの際にポケットやバックの中に気軽に入れて出掛けられますので、
是非、文庫の「綺良のさくら」もお求め下されば有難く思います。

そして、25日には角川書店より単行本「芦田川」という初の現代物が刊行されます。

これは昭和55年から60年代の福山が舞台で、芦田川沿いに住む母娘、姉妹の織り成す愛憎、
肉親だからこそ逃げたくても逃げられない、人の持つぞっとするほどの冷たい部分などを描いた作品で、
これまで時代物では書きたくても書けなかったテーマを福山の経済発展とともに描いた作品です。

徐々に弱りつつある身体ですが、どうしてもこれだけは書き残しておきたい、
ある意味で今井絵美子の集大成といってもよい作品です。

今井絵美子にもこんな小説が書けたのだと思ってもらいたいと願っていますので、
是非、是非、お読み下さいますように……。

そして、来月4月25日には、角川文庫より3年前に発表された「群青のとき」が文庫本として刊行されますので、
ご期待下さいませ!!

わたくしはなんとか頑張っています。これからも体力の続く限り書き続けていきたいと思っていますので、
どうか見守っていて下さいませ。
頑張りますね!!
 
今井 絵美子

8月


Subject: 禊川
 
暑い夏を迎え、皆さま、ヒィヒィいっておられるのではいでしょうか。
わたくしはまたもや入院ということになり、現在、病院のベッドからメールしています。
8月10日頃、すくろ幽斎診療記の新作、第九弾「禊川」みそぎがわが発売されます。

お辰の許を巣立っていった徳次のその後や、草の実荘の子供たちに起こる変化、
出来事など、今回もはらはらドキドキするような物語が展開されますのでご期待下さいませ。

現在は病室のベッドにパソコンを持ち込んで、毎日少しずつでも頑張って書いていますが、
なかなか、健康なときのようには進みません。
それで少し書いては休み、また書いてといったことを繰り返している状態です。
なんとか、髪ゆい猫字屋繁盛記第八弾を書き上げたい、出来ればその次の「ぶぶ漬屋母子燕」シリーズの
第二弾を書き上げたいと思っているのですが、こればかりはわたしの体調次第でなんとも言えません。
それで、今回、長いこと可愛がって下さったお礼だけでも言っておきたいと思います。
皆さま、有難うございました。皆さまのご声援があったればこそ、ここまで書き続けてこられたのだと思うと、
感謝の念で一杯です。

肉体は滅びても作品は遺る……。
いつまでも、今井絵美子を愛して下さることを願っています。本当に有難うございました。
                                           今井絵美子