ドロミティ心髄旅行記−2



 9/23


今日も快晴、夜明けに飛び起きる。8月に悪天候だった分、9月でリカバーしている感じの晴天が続く。
 そういう意味では、今回非常にラッキー。
 今朝もテラスのベンチやテーブル一面に氷が張っている。
そして今朝は西側の地域に雲海が出ている。そこをメインテーマに決め、三脚を西に設置。

 西側ははるか遠くの、スイス方面のアルプスまで見えている。

 上に出ている山が朝焼けで赤く焼け、谷底はまだブルーに沈み、そこ
 に白い雲が浮かぶ・・・という完成予想図を頭で描き、その瞬間を待つ。
 山が一番赤いのは、朝日が当り出した瞬間で、太陽が全部上り切って
 しまうと色が死んでしまう。

 太陽が地平から登りきるのに要する時間は約2分半。
 この間に、自分が定めたテーマの写真がウマく撮れるのか,これが勝負の分かれ目になる。
 短い時間に加えて、露出条件が極めて難しく、この2分半は最高の緊張状態になる。

 寒い中を朝飯まで撮影、荷物を片付けてから10時までスケッチ。
 本日午後は次の小屋、トレチーメまで上らなくてはならないので、10時に下山。
コルティーナで昼食。
 連日ストゥルーデルを食べ続ける。

 午後にミズリーナ湖を経由してアウロンツォ小屋にクルマを置き、
いよいよトレッキング開始。
 尾根までの登りで大汗をかくが、3峰の真下に出て、その絶壁度に声が出ないくらい満足する。
 後はだらだらとドロミティ銀座通りを歩いて行くだけで、辛いわけではない。

 それにしても、まあ、荒涼たる風景の奥に小屋が見えていて、なんともシアワセ。

 2時間ほどでトレチーメ正面のロカテッリ小屋に到着。
 もう・・・真正面の絶好地だ。
 またビールでボケーッとし、シャワーを5ユーロにて。
 水がチョロチョロで寒い。

 「夕食は7時に火を落とす」などという恐ろしい説明があり、病院の
 夕食時間並みに、食べ終わって8時という、極めて健康的な生活。
 質素な部屋に帰って、ガーンとショックを受ける。暖房が無い!
 それで、この小屋は9/25に閉めるのかーーー!と理解できた。
 サムーーイ!!!

 結局、そうそうにベッドに入り、最初の眠気バスに乗ってしまわないと、寝そびれてしまう。
 窓からの凄い風景を思い、翌朝の夜明け撮影のイメージトレーニングをしながら眠気に落ちて行く。


1=ラガツォイ小屋テラス西側の絶景。
一つむこうの谷に雲海が流れている。
遥か遠くまで見える快晴の朝。
2=打ち寄せる雲海。あの下で人々はまだ眠っている
3=水のある惑星の夜明け。
君が居ないのが残念。
4=南側の展開。
空気がウマい。
5=コルティーナにて。
可愛らしい別荘。
7=コルティーナにて。おいしかったストゥルーデル。
9=トレチーメに至る登山道。
尾根に出る最後の部分。
あそこまで行けば、3峰が見えるし、後は下りだけだ、ガンバレ!
10=尾根で、僕がカメラを持ち、ロカテッリ小屋までの下りにかか る。
遠くに見えるのが目的地。
まー、凄い風景です
11=後ろがこれ、トレチーメ(3峰)で、垂直に300mは あるかな。
首が痛くなります
12、13=で、前がこの左から2枚連作の風景。
14=地球じゃない!
15=夢にまで見た山小屋の部屋からの一枚。
まるでハメコミ写真!
16=尾根から、こちらに向けて歩いて来ました。
その中段の道です。
凄い風景の中だったのが良く判る。右の岩が3峰のうち、左のもの
17=夕暮れ時の光の乱舞。
18=小屋すぐ左の岩峰群。ササくれだった、円空仏のような岩達。
19=幸せなテラス。もう、死んでもいい!