今月も、相変わらず4000kmほど飛び回りました。

様々な人に会い、様々なものを食べ、頭にも、お腹にも「沢山のイタリア」を詰め込んで行きます。
そんな、振幅の大きかった一ヶ月をご覧ください。

(美食ばかりのように見えますが、普段が粗食なので、バランスは取れています。)


1=イタリアのカーデザイナー、設計者のトップクラス6人に専門的なインタビューをする企画の通訳。
ピニンファリーナを率いたフィオラヴァンティ氏のショールーム。
コンセプトカーが並んでいる。
見ているだけで楽しくなる作品が並ぶ。
2=同氏がデザインした自転車。
非常に美しい。
風が作ったフォルムという感じ。
3=現代のミケランジェロ、イタリアの天才ジュジャーロ氏と、17歳の時の作品。
気さくで、しかし頭の回転が速い。
同時通訳を試みながら、通訳冥利の1時間を過ごす。
僕の憧れの人だったので、直筆のスケッチと作品集をもらう。
4=京都のレストランオーナーのK氏と10日間の試食ツアーに出かける。
スローフード発祥の地ブラの日時計。
同地の有名店Bはウマくなかった。
心がこもってない料理で、食べた後が淋しくなった。
5=シルミオーネの朝。霧の中、屋外プールと湖水が静かに明けて行く。
6=高級スプマンテのリナルディ社視察。
つまり試飲。
高いものばかり5本を飲み比べる。
  朝の10時からこういう一日。
仕事なので飲まざるを得ず、結構廻ります。
7=で、そのままリナルディ社長夫妻と魚料理とスプマンテの絶妙の組み合わせを実体験すべく、昼食に出かけた。
まずは、生カキとか、生エビ、生スズキにどのスプマンテが合うのか、説明を受けながら飲んで行く。
8=手造りパスタの魚トルテローニ。
微妙な甘さを殺さないのは、どんなスプマンテか・・・大変な勉強になった。
9=メインに行く前にして、すでに一人当たり7個のグラスが配られ、食卓上には30個ほど林立している。
悪い組み合わせでも試してみる。
料理と酒の組み合わせを追求するというのは、こういうことなのか、と実感。
10=メインに行く前に手洗い鉢が出て来る。
ラベンダーの花とレモンが入っている。
これが、白い陶器で出て来たら、思わず飲んでしまうかも知れない。
天皇が英国留学中にミスしたのも判る気がする。
11=食後もう一軒のワイナリーを訪ねる。
庭の一角に素敵な空間。
左のコードまで青系統でまとめるとは、さすが。
12=京都の店を離れて6日目、K氏の創作意欲が炸裂したのか、
「今夜は私が作ります」ということで、わずか8人の夕食を日本有数のシェフが直々に作るという現場を見せてもらう。
限られた材料、道具、時間をいかにクリアしていくか・・・これはほとんどスポーツ。
僕も野菜を刻んだり、魚を焼いたりして手伝う楽しいひととき。
13=前菜の盛り合わせ。
イカとムール貝に魚のスープかけ。
14=パドバに移動。有名なMにて繊細な味を試食。
手打ちパッパルデッラにアンペッツォ風野菜、パンチェッタソース。
15=手造りソーセージ煮にレンズ豆、白大豆。
とてつもなくウマいが、写真に撮ると、どう見てもイヌのウンチ。
皿の盛りつけに一工夫欲しい。
赤いニンジンとか、緑のズッキーニとか。
16=パドバで出会ったワインのワイナリーを訪ねて商談をまとめ、そのまま魚の店へ。
前菜の野菜サラダが、まるでインスタレーション、さすがイタリア。
緑の長いのが大好物のプンタレッラ。
カリフラワーも生で食べる。
17=新鮮なホタテ貝の、あっさりとしたウマみを引き出した前菜。
これはなかなかの腕と見た。
18=日本人のお客さんをサンジミニアーノまで送るついでに(?)ピエンツァとモンテリッジョーニを廻る。
「王冠の街」の裏の広場にて。
石も木も、どちらも味がある。
19=こういう壁をそっくり持ち込んだレストランを造りたい。
20=日本では時間に追われ続ける方たち。
丘の起伏に感動してもらう。
何も無い事の美しさ。
21=ジャカード編みのような、斜面の美しさ。
広大な抽象画。
22=ピエンツァにて。
丘の見晴し台から地元の人が見ているのは雄大な風景では無く、消防士が枝を切っている様子。
   実際に頑張っているのは一人だけで、他の人は何もしていない。
小春日和の暢気な光景。
23=立ったまま枯れて行く雑草を載せた古い壁。
ピエンツァの諸行無常。
24=下着ショップのウインドウ。
年初めに、沢山した行為は、その年にはずっと持続できる・・・という迷信があり、好きな人に赤い下着を贈る風習がある。
つまりは、あれですな、要するに「合体の回数が持続できる」と言うわけです。
こういった歴史的背景をベースに、今時珍しいゴム製ユタンポを並べているが「だから何なんだ?」という疑問が湧いて来る。
間違って、ユタンポと一夜を過ごした人は、その年はずっと寝たきりということか?