イタリア便り 9月号


4月以降、8月末までの分を送ります。
夏時間がくれた光の日々。


1=北イタリアの小都市、FIDENZA駅。
よく見ると、既にあった駅名の上に柱頭飾りを付けたのだと判る。
IとZが無理矢理収められている。
この辺のラテン的いい加減さが、僕のココロを救ってくれるのだが、
Nの字が逆さまなのは、おそらく日本人の僕しか気づかないだろう。
ああ、僕はまだ、イタリア人ではないのだ。
2=君をさらって、丘の上の小さな村にある料理店に連れて行くんだ。
おばあちゃんのレシピ、可愛い装飾の店内、少しの白ワイン・・
これで今夜は素敵な夜だ。
酔ってから、大きなダブルベッドで手をつないで眠ろうか。
3=ああ、蛍光灯の無い国の人間的な事。
3=白ワインが僕に勇気をくれるであろう。
4=そして目覚めた翌日は遅めの昼食。
その最後のデザート、これは覚悟して飛び込まなくてはオトコとは言えない。
5=なーんて言う恋愛物語を作る仕事の日々、工場では楽しいシールが待っていてくれる。
現場でのジョークはかなり面白いのが多く、コレクションしている。
6=国際会議同時通訳のため、ベネチア大学へ一泊で。
前日から現地入りだが、フリータイムなので散歩に出る。
夕方の光がキレイで飽きない。
6=仕事を終え駅に向かう。
初夏の日差しに輝く水の街の美しさを堪能す
7=ゴンドラは女性だ。
8=栄光の跡。没落は人生。
9=どこを撮っても油絵のような街。
10=「遅くならないで帰って来るのよ!」
「判ってるわよ、マンマー」
ボートで出かける娘にクギを刺す母。
(で、あろうと推測しましたです、ハイ)
11=こういう変なものを展示するのがイタリア?
12=夏時間の午後7時。
そう、週末に訪ねて来る君を迎えに行ったんだ。でもまだホームには誰も居なかった。
これからあの長い夕暮れがやって来て、その色をワイングラスに入れて乾杯だね。
13=カモのフォアグラ。
ウマい。が、量が多すぎて有り難みに欠ける。
14=禁断の島、上陸する?
15=踊るとは何なのか?
16=自らのカラダで空間を彫刻して行く。
17=義理兄とローマ空港にて。
日本から来る友人を迎えに来たが、変装している僕らには気づかないだろう。
出迎えが来ていないのでパニクらせ、人生は甘くないんだよ、と諭すためだ。
旅の収穫第一号を到着早々に贈ることにした。
18=イタリアは凄い、パック牛乳にコロッセオだぜ!
賞味期限が2000年はありそうだ。
19=ベニス。かつての大公宮殿、その栄光に射す落日。
20=3階までの長い階段、そこだけで既に圧倒されるのは、東洋からの旅人。
21=ヴェローナのアレーナにて野外オペラの二夜。アイーダとカルメン。
22=カルメンは監督がゼフィレッリなのでやはりキレイ!
映画のようなシーンが続く。
23=翌日はジュリエットの家へ。
恋人たちの聖地になっていて、落書きが凄い。
執念の愛、愛の執念。
24=中の壁画、ム、胸がポロリだ!。
これでベランダに居られたら、そりゃ誰でもよじ登りますがね!。
落ちたらいかんよ。
25=中の資料。
スケベそうなロミオがジュリエットに飛びついたところ。
ヒ、ヒゲが、ム。胸に刺さっているよ!
26=ピエタ・ロンダニーニ。
90歳を過ぎてこういう官能的な作品を彫ったニンゲンが500年前に居た
27=陶芸工房を巡る。このあたりは陶花で有名な地区。
28=ミラノのパーティーにて。市川さんの作った寿司の海。
29=その豊穣の海に、溺れた夜。
この人はタダ者ではない。寿司アーティストだ。
追加1=機械据付けのため3回目のタイ出張。
ボローニャからフ ランクフルト経由でバンコクに入り、
入国審査の列に並ぶと、この歓迎 ボードが待っている。

ガーン!「ヘムケツヘァホメ」は、まあ・・・日本語で「ヘムケツ」が
ようこそ、「ヘァホメ」がいらっしゃいませ、であろうと無理やりに
推 測するが、そのあとのメチャクチャな文字が、何とも凄い!。

これが、一国の、国際空港の、公式の、歓迎ボードで、しかも堂々と
もう2年以上機能しているというのが、信じられる?
でもねー、もしかしたらホントの意味は「保険金殺人、気をつけろ」とか
「夜の一人歩き、やっちゃいかんよ」とかの意味かもしれないぜ。

・・・奥が深すぎる、タイの国!。
追加2=保険金殺人にも巻き込まれずに、据え付けの仕事を終えヨーロッパに帰る。
フランクフルトからボローニャまでの2時間の旅では、必ず窓際に席を取る。

アルプスを見るためだ。
それは自分があの山々の南に住んでいる小さな生き物だ、と再確認するため。