モナコでは、あれのなにがいろいろあって、つまりはまずはそれをこうしないと
どうにもならないというので一旦イタリアに戻る。
さっそく、前々から言われていたラーメンの出前料理をすることになった。

クンフー( 香港空手)をやっている人たち10人に餃子、ラーメン、焼き肉を食べさせるという
「底なしの空腹人との戦い」である。
3日前からラーメンの仕込み にかかりチャーシューを800g、ミラノで見つけたカンスイ入りで生麺を20人分、
餃子を100ヶ、タレを仕込んだ焼き肉を1kg、白いご飯を2kg。

結果は?全部消失しました。
餃子は一昨年につかんだレシピで完璧。
もう、そこいらの中華店で頼む気はしない。
オレのは、皮が薄くてパリパリ、中は野菜たっぷり。

でもこれを、一人で15 個は行けてしまう自分の胃袋は、もう表彰ものだ。
食べに来ます?ビール冷やし とくぜ。
息子たちの無名バンドが、ボローニャの有名なジャズクラブ2軒にデビューすることになり、音と映像を記録する。
世界的なジャズプレーヤーが訪れる店でデビ ューとは、うらやましい限り。
その晩の予約状況。結局は満席であった。
4人とも20才ちょっとだからね、これ からもどんどん好きなことやって行きな。
一つアドバイス「石橋も叩くと渡れな い」。前に行くしか無いんだぜ。
息子の学校が休みに入る前に、その街の「底なし空腹人学生」に日本料理を食わ せてみようと言う、
「調査捕鯨」のような試みをすることになり、日本食材と包 丁セットを持って出かける。

光はアンドレアというこれまた馬のように喰う同居人と住んでいるが、この二人 と、
その友人たちに二泊三日の日程で何種類かのメニューを試すことにした。

初日の夜はカツカレーであった、1リットルのカレーと10枚のトンカツが消えた。
翌日昼は天ぷら冷やしウドンを5人で。

ウドン9人前と天ぷら30ヶ消滅。
その夜 に、終業パーティーらしきものをしてやろうと思い立ち、
「寿司とかいろいろ、10 人くらいなら作れるよ、クラスの連中に声をかけてみな。
まあ、15人でも大丈夫 なようにしておくから」と言ってから仕事台をセット。
キッチンのテーブルは屋上のテラスで使うので机を横にして、窓の板を乗せてカウンターにする。
ウラ巻きに入れる海老フライの仕込みを息子に教えながら15人分を仕込んで行く 。
これはカリッとさせる裏技、2回つけ。
サケの仕込み。
山の街だが、幸いサケのいいものがあったので1kgほど買う。
量 が量なので高いマグロは止めたが、サバとイワシは酢で締めた。
あとはエビと野 菜。
光が学校から帰り、こう言った。「30人くらいになりそうだよ」。
ガーン!メニューを急遽変更して、「腹に溜まる、腹が膨れる、食べやすく、皿 一枚で食べられるもの」中心にシフト。
ナベもカマも揃ってない、不自由なキッ チンで作り続ける。
青年たちも手伝うが、試食の量もすごい。
キッチンは戦場と化した。
左からアンドレア、オレ、光、ミケーレ
天ぷらの衣をつけるボールが無い。
ナベに直接、粉と卵水を入れるというやり方 に切り替える。
量を作るときに有効。
安い鶏肉で、焼き鳥を30本仕込み、先に火を通しておく。
できたものを並べるテーブルが無いので窓枠に乗せていたが、鳩が来るので中に入れる。
左はインゲンのごまみそ、中がアンチョビー前菜、右がドライカレー。
奥から順に卵チャーハン、ポテトサラダ、ピーマンとフィノッキョの刺身、豚肉 キャベツショウガ焼き、その他。
出来上がったものから並べ、寿司の握り4種と 巻き4種にかかる。
屋上の広いテラスで夜中の1時まで、それはすごい騒ぎ。
これは屋内でのジャム セッション。
酔うとさ、ギターとか、XXXとか抱きたくなるんだよね、判るよ。
パーティーは大好評、大成功。
翌日はちらし寿司とカレーライスを10人前で調査 終了、ボローニャに帰る。
以下はラファエロの生まれたウルビーノ風景。
古いレンガが多いのですてきな街であった。
下宿のある通り。
坂道。
各種様式が混ざっている。
歴史を感じさせる組み合わせ。
花を愛する人のテラス。
奥まった路地、そこで勉強する学生。
水彩で描きたいポイント。
シルエットと煉瓦の壁の光で遊ぶ
ここも水彩だろう。
ただ、白っぽい壁の部分は結構難しい。
気品ある館。
三脚を持ってもう一度撮りたいポイント。
人目につかない低い場所だが、美しい。
ここは油で描きたい。
筆は使わずにナイフだけで行けそう。
絵はがきにできるポイント。